国会議員の育休は認められるか?

国会議員の夫婦が育休を取るとした件について、様々な意見が交わされています。比較的若い世代では、男性の育休取得を啓発することに期待するなどの理由から肯定的な意見が多いようです。

 

一方で、国会議員と被用者の違いを指摘する否定的な意見も見られます。政党所属の議員が多いなかでは少し誤解されているかもしれませんが、確かに国会議員は被用者とは違います。当然、育休を取ると言っても被用者の育休制度を使うわけではありません。本会議のときにお休みの届けを出すそうで、予定されている期間も夫の方は1ヶ月と短いものです。

 

今の法律では育休の取得には被用者であっても制限がありますから、それらと照らしたときに国会議員の育休が適切なのかといった制度に関する議論もありそうです。そもそも被用者の育休制度には、一般的な人事慣習のなかで育児のための一時的な休職を求める労働者の利益を守る役割が期待されているはずで、国会議員にそのような保護が必要なのかを考える必要もあるでしょう。

 

さらに国会議員は個人事業主や経営者とも違います。国会議員は国会における国民の代表者で、本会議で国会議員がする表決は、いわば私たちが投票所で国会議員に投票した票の代わりです。この点で生産活動と同列には語れません。本会議での表決を代行させることもできません。それらの特殊性は、被用者や事業主らにはない様々な責務や特権の理由でもあります。

 

育休には母子の保健、育児による負担の緩和、子供の利益、ワークライフバランス、制度には人事慣習からの保護、収入の安定、政策的には出生率の向上、保育サービスの需給緩和、男性の育休取得にはさらに女性が労働市場で不当に評価されることを緩和するといった意味もあるでしょう。

 

このように様々な意味を持つと考えられる育休ですが、生産が国や社会に求められるものではないと考える人のなかには、そもそも育休の優待に不満を持つ人もいるでしょう。
また、おそらく一般的には国会議員がワークライフバランスのために本会議を休むといったことは、認められないでしょう。少し前には本会議を欠席した議員が診断書を出したかどうかといった騒動もありました。

 

もちろん国会議員であっても、産休は認められるでしょうし、それに相当する期間、男性が育休を取ることも、女性が不当に評価されることを緩和する意味で肯定され得ると思います。あとは育児による負担の緩和や子供の利益といったことのために、本会議まで休むことが認められるかということになりそうです。

 

もちろん、男性の国会議員による育休取得を象徴的な出来事として、広報的な効果を期待するのであれば、そうした議論は不要でしょう。ただし、国会議員が象徴的な出来事の主体になり得るか、なるべきかについては、また別の検討をしなければならなそうです。

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