先進国は成長しなくて良い、成熟経済だと言う人がいます。でも、一般の国民は経済的な豊かさ、所得に満足しているのでしょうか?
先進国だから経済成長できないと言う人もいます。でも、日本の生産性はそれほど高くはありませんし、情報技術やロボット技術も進歩しています。
需要と供給力
経済を大きくする条件は2つあります。
① 需要が十分にあること
② 供給力が拡大すること
喩えるなら、需要はコップの容量、供給力はジュースの量、コップに入るジュースの量が経済の大きさです。不景気のときはコップが小さいので、入りきらないジュースを捨ててしまっています。入りきらないジュースが失業やひまです。活用されなかった労働力を後で使うことはできません。政府が給付や減税をして家計の収入を増やせば、コップは大きくなります。あとはジュースの量です。
成長のエンジンは新産業ではない
新産業を創出しなければ経済は成長しないという主張を聞くことがありますが、経済の成長に必要なのは新しい産業を作ることではありません。今ある産業、生産活動の生産性を高めることです。
例えば、住宅の建設は新産業ではありませんが、より広い住宅を建設することは需要を増やすことであり、より少ない労働力で建設することは生産性を向上させることです。
ジュースの量を増やすには?
供給力を大きくする方法は2つあります。
① 生産性を向上させる
② 労働者数や労働時間を増やす
これまでは、規制の緩和によって新しい産業を作る、競争によって生産性を上げるというストーリーが語られてきました。しかし、規制の緩和で供給者が増えると生産性が低くなってしまうこともあります。また、企業間の競争は生産性を向上させることよりも、各企業が利益を上げることに向かってしまうこともあります。
ロボットや情報機械を使うことで生産性が飛躍的に高まる可能性が強まってきました。しかし、それらの普及・活用には、企業間や業種間の情報の不連続や人材や情報・研究開発力の偏在といった障害があります。競争よりも協調が必要なのです。
政府には、それらの障害を取り除いて生産性の向上を牽引することができるはずです。生産性を上げるためには競争の効果に期待するよりも、生産性を上げる手段を支援することが有効だと考えられるのです。
経済を成長させる3つの提案
③ ミスマッチを生まない人材開発