定数削減は正当か?

十万人あたりの下院の議員数を比較すると、日本の国会は欧州のそれと比べて少ないことがわかります。(上院は州や自治体の代表とされている国もあるので比較できない)

国会での実質的な審議は委員会で行われていますが、現在の府省組織を前提とせずに行政分野を数えると少なくとも25程度はあり、衆議院の定数475で単純に割ると19になります。議員数をむやみに減らすと十分な審議ができなくなってしまいます。

 

また、定数だけを見ても人口が少ない欧州主要国の下院の方が多くなっています。国際比較に判断を頼るべきではありませんが、衆議院の定数が多いとは言えません。

アメリカは上下両院ともに、その人口規模を考えると特異に少ない定数になっています。しかし、連邦制であり、大統領制であり、連邦政府の拡大に対する反発が一部で根強くあることがその理由であるとすれば、参考にはできません。さらに、アメリカ国民の議会に対する信頼度は極めて低くいとされているので、成功している事例と考えることもできません。

 

アメリカの連邦議会では議員事務所のスタッフの数が多いので、それを参考に議員を減らし、秘書を増やせという人もいます。しかし、国民が選ぶのは自らの代表者として政治を担う議員であって、事務所スタッフの上司ではありません。

 

衆議院の定数

衆議院を国民に代わって行政に対する主権を行使する機関として見たときには、その議員が内閣を組織し、又は憲法が想定していないとしても内閣に属する機関の監督を担うことは、国民による政治の理念に沿ったものと言えます。

 

その理念に沿って、内閣が政令の審議をしっかりと行い、行政各部が省令等を適切に制定するためには、内閣や付属の機関で政務を行う議員の数が百人程度は必要になるはずです。院内にも委員長などの役職があり、党派や能力によって選択されるためには、それらの数倍の衆議院議員が必要になります。

 

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